長走風穴高山植物群落:ながばしりふうけつこうざんしょくぶつぐんらく(国指定天然記念物)

長走風穴の写真

 長走風穴は、国見山(454m)の麓に位置しており、真夏でも0~5℃の冷風を吹き出しています。このため、標高170~240mの風穴周辺には、オオタカネバラやコケモモなど標高1000m程度の亜高山帯で見られるような植物が群生しています。
 麓の風穴地帯からは冷風が吹き出るため、明治の終わりから大正時代にかけて斜面の所々に風穴倉庫が建築され、冷蔵庫として使用されてきました。主に関東方面に出荷する津軽リンゴが保存されてきました。
 当地には長走風穴館が設置され、風穴のしくみや利用について学ぶことができます。また散策路からは、高い山に登山しなければ見られないような植物を手軽に観察できます。自然観察や避暑にどうぞお越しください。

長走風穴周辺の高山植物群落について

 風穴周辺にはオオタカネバラやコケモモなど当地方の低地には分布していない植物が多数見られます。1周20~30分程度の散策路や観察デッキから手軽に観察することができます。ルールを守って観察してください。

コキンバイの写真 ナンブソウの写真 コケモモの写真オオタカネバラの写真

ウサギシダの写真 ヤナギランの写真 ゴゼンタチバナの写真

長走風穴高山植物(動画)

主な植物の開花日(PDF 73kB)
過去10年間の開花日の記録と平均開花日を掲載(2016.5更新)

主な植物の開花期間(PDF 146KB)
2012年の開花期間を掲載。当地を訪れる際のおおよその参考になります。

風穴の利用

 電気冷蔵庫が無い時代に、長期間低温を維持できる冷風穴は利用価値があり、産業活動に取り込まれてきました。
 全国的には蚕種の貯蔵に利用することが多い風穴ですが、長走では、むしろ、リンゴ、ナシ、ブドウなどの果物、穀類、農産種子、野菜、魚、鶏卵、醤油、酒類などを貯蔵していました。とりわけ、関東方面に出荷する津軽リンゴが主要な貯蔵物でした。
 当地には佐々木耕治氏と旧白沢営林署の風穴倉庫が計9棟建設されましたが、現在、その跡地7棟を見学できます。

風穴王 佐々木耕治

 佐々木耕治氏(旧大内町出身1869-1932)は、明治35年(1902)に長走を訪れた際、宿の主人から化物屋敷(風穴)の話を聞き風穴に巡り合いました。 その後、風穴の温度測定や貯蔵試験を繰り返し、明治45年(1912)に最初の冷蔵庫を建設しました。その後、風穴冷蔵庫の経営と高山植物の保護に尽力しました。

風穴現象のしくみ

 麓の風穴では、なぜ夏に冷風が出てくるのでしょうか。最も有力な説は、大館市出身の荒谷武三郎氏が1920年に提唱した「空気対流説」です。

風穴現象のしくみ(夏)

 国見山の麓では、夏は地下に氷があり低温であるため、斜面下方の岩屑の隙間から冷風を吹き出し(冷風穴)、斜面上方の隙間から外気を吸い込んでいます。

風穴現象のしくみ(冬)

 冬はその逆で、斜面上方の隙間から温風を吹きだし(温風穴)、麓の隙間から外気を吸い込んでいます。このため、温風穴周辺では、真冬でも周囲の雪は解けています。

長走風穴の温度変化

 上のグラフで外気温と連動して風穴の温度が変化している部分は、風穴が外気を吸い込んでいることを意味します。

『長走風穴館』について(12月1日~3月31日は冬期閉館)

長走風穴館の写真

 国内でも有数の風穴関連のビジターセンターです。風穴のしくみと利用がわかるパネルコーナーや高長走風穴館の写真山植物が生育する原因などを解説してくれるミニシアターがあり、2階から屋外の散策路へ出ることができます。
 また、風穴館の入口付近にある1号倉庫には実際に中に入って体験することができます。
 ※夏季は風穴の冷気で館内を冷房しています。風穴の地下から風穴館にかけて地下トンネルが掘られ、館内に冷気を導入しています。

開館時間 09:30~16:30
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
6~8月は無休。
12月1日~3月31日は冬期閉館。
入館料

無料

長走風穴高山植物群落のリーフレット

長走風穴高山植物群落のリーフレット(表)

長走風穴高山植物群落のリーフレット(裏)

リーフレットのダウンロード(PDF2.5MB)

市内の風穴

 市内には、長走風穴のほかにも幾つか風穴があります。人間が冷蔵庫を建築して利用してきた風穴は、長走風穴のほかに、片山風穴、岩神風穴、新沢風穴があります。
 郷土博物館では2011年から2013年にかけて、これらの風穴現象が見られる山を踏査し、冷蔵庫跡等を再発見し、温風穴・冷風穴の現況を確認してきました。
 このほかにも、風穴現象が見られる場所は、文献や口承などから複数の存在が知られています。何か情報をお持ちのかたは、郷土博物館までお寄せください。

 

長走風穴館年報

下記よりダウンロードしてご覧ください。

名称

年度 発行日 型、ページ数 容量  閲覧
第12号 平成22年度(2010)版 2011.3.31 A4, 43ページ PDF, 2.0MB
第13号 平成23年度(2011)版 2012.3.31 A4, 35ページ PDF, 1.2MB クリック
第14号 平成24年度(2012)版 2013.3.31 A4, 46ページ PDF, 2.5MB クリック
第15号 平成25年度(2013)版 2014.3.31 A4, 44ページ PDF, 2.3MB クリック
第16号 平成26年度(2014)版 2015.3.31 A4, 44ページ PDF, 6.6MB クリック
第17号 平成27年度(2015)版 2016.3.31 A4, 54ページ PDF, 5.6MB クリック

※国立国会図書館、秋田県立図書館、大館市立図書館でも閲覧することができます。

 

 

 

 

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